子どもが1歳になり、夜の授乳も落ち着いてきたころ。
少しだけ自分の時間に余裕ができ、「この時間を何かに使いたい」と思うようになりました。
でも、出産を機に退職してからは、資格もスキルも何もない状態。
元々は営業職で働いていたけれど、今の子どもたちの状態で、外に働きに出るのも難しい……そんな中で見つけたのが、「Webライター」という働き方でした。
スキルも経験もない私でもできる仕事を探していた
「在宅 副業」で検索すると、せどりや物販、アフィリエイトなど、たくさんの働き方が出てきました。
Webデザインも魅力的でしたが、独学では厳しそうだし、スクールは高い。
そんな中で「文章を書く仕事なら、もしかしたら自分にもできるかも」と思い、Webライターを始めることにしました。
文字単価0.25円からのスタート

最初の案件は、ペットホテルのおすすめ記事でした。
クラウドソーシングで受けた仕事で、手数料を引いたら文字単価は0.25円ほど。
今思えば、まったく割に合わない仕事でしたが、それでも「自分の力でお金をもらえた」ことがうれしかったのを覚えています。
その後も取材記事や家電コラムなど、クラウドソーシング経由で執筆を重ねました。
「初心者だけど、0.7円未満は受けない」
そう決めて、少しずつ単価を上げていきました。
「何を書いているのかわかりません」修正に心がすり減っていく

開始3か月で、医療系コラムの仕事に巡り合いました。
今の私につながる、大切な出会いです。
でもこのときのフィードバックで、心が何度も折れかけました。
「何を書いているのかわかりません」
「まどろっこしい」
「全部書き直してください」
そんな言葉を何度ももらい、書く時間と同じくらい修正に時間をかける日々。
つらくて、もうやめようと思ったこともあります。
でも、振り返るとあの時の私は、「どうせ初心者だから」と自分に甘く、プロ意識が足りていませんでした。
読者がなぜこの記事にたどり着いたのか、どんな悩みを抱えているのか――
そこまで考えていなかったんです。
昔から本が好きで、読書量だけは人並み以上。
でもそのせいで、結論を最後に書く「物語型」の文章が癖になっていました。
SEOライティングでは真逆。最初に結論を伝えなければならない。
そこで、本を買い、記事を読み、基礎から勉強を重ねていくうちに、少しずつ「読まれる文章」の感覚がつかめてきました。
子どもがいても「プロとして」働く意識を持てたきっかけ

それまでは「正しく書く」ことばかり意識していましたが、
「誰に」「どんな場面で」読まれるのかを考えるようになってから、
修正が格段に減りました。
修正を受ける中で、自分文章の癖がつかめるようになり、次のポイントを意識するようになりました。
- 「自分が書きたいこと」ではなく「相手が知りたいこと」を書く
- 結論を最初に書く
- 冗長な表現を抜く
- 構成に徹底的にこだわる
- 同じ修正をもらわない工夫をする
この視点を持てるようになってから、クライアントの方から「読みやすくなった」「わかりやすい」と言ってもらえるようになりました。(良いコメントをもらえると本当にうれしくて……)
家では、子どものお昼寝中や夜寝たあとが執筆時間。
集中できる時間は限られていましたが、「短い時間でもクオリティを下げない」ことを意識したことで、結果的に作業効率も上がっていきました。
「子どもがいるから仕方ない」ではなく、「子どもがいてもプロとして仕事をする」
そうした意識が変わったことで、ライターとして働いているといえるようになった気がします。
納品したら終わりじゃない。信頼関係が「次の仕事」につながった

あのとき、心が折れそうになりながらも続けられたのは、厳しいフィードバックをくれたクライアントの方が、それでも「次の仕事」を任せてくれたからです。
「もう書き直すのはつらい」と思う日もありました。
正直、そのクライアントから通知がくるだけで胸が痛くなるほどでした。
でも、あきらめずに丁寧に修正を重ねるうちに、少しずつ評価をもらえるようになりました。
今では、同じクライアントから継続でコラムを任せていただき、修正もほとんどなく、追加で複数の担当をいただけるようになりました。
家にいながら、自分の力で仕事をつくるという選択

Webライターは家にいながら文章を入力するだけ!誰でも簡単に稼げます!
みたいなキャッチコピーをよく目にします。
実際に働いてみて思うのは、在宅で働くというのは、決して「楽な道」ではないということです。
思うように進まない日もあるし、評価されずに落ち込むこともあります。
当たり前ですが、楽してお金をもらうことはできません。相手に価値を提供して初めてお金として返ってきます。
でも、家にいながらでも、自分の力で仕事をつくることはできる。それを私は、ライターという仕事を通して実感しました。
誰にも評価されないように思えても、少しずつ積み重ねていけば、いつか必ず「あなたにお願いしたい」と言ってもらえる日が来ます。
Webライターをやっていて「また、お願いできますか」「新しく担当してもらえますか?」と言ってもらえるのは本当に嬉しい瞬間です。
さらに、続けていればクライアントの方から、新しい領域へのチャレンジを提案してもらえることもあります。
これからライターを始めたいと思っている方が、あの頃の私のように悩んだり、孤独を感じたりしたとき、少しでも励ましになるような発信をしていきたい。
そんな思いで、これからも「書くこと」と向き合っていきます。


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