フッ素の効果
フッ素の虫歯予防効果ってどんなもの?
私はなんとなくフッ素は虫歯予防にいい。とわかっていても実際にどのようにして虫歯を予防するのかという効能効果については理解していませんでした。
歯科衛生士さんにメカニズムを説明してもらい、フッ素の重要性をようやく理解しました。
フッ素の効果は大きく3つにわけられます。
①酸が作られるのを抑える
②再石灰化を促進する
③歯の質を強化する。
一方虫歯の原因は以下の3つであるとされています
①細菌(ミュータンス菌)
歯垢(プラーク)となって歯の表面に付着し、糖質から酸を作り出します。
その酸が、歯の成分を溶かして歯をもろくしてしまいます。
②糖質
糖質(特に砂糖)は、ミュータンス菌が酸を作る材料に使われます。
歯の表面が酸にさらされる時間を短くするためにも間食や甘い飲み物を避けることが大切です。
③歯の質
歯が作られる時の環境の違いなどで個人差がありますが、エナメル質や象牙質の状況(=歯の質)によって、むし歯になりやすい人もいます。特に乳歯や永久歯が生えたばかりの子どもは注意が必要です。
つまりフッ素によってこの部分を抑えることで虫歯の予防につながるのです。
フッ素の安全性について アメリカでは6歳未満は推奨されない?
とはいってもこどもの体内に入るものなので安全性が気になりますよね。
フッ素が体に及ぼす悪い影響についてみてみましょう。
フッ素の安全性について調べているとすぐにでてくるのが、日本消費者連盟・弁護士連合会でもその危険性について意見書をだしているという情報です。
そもそもこの日本消費者連盟というものを私は存じ上げないのですが、内容を見てみると
1.米国歯科医師連盟(ADA)は「6歳未満の子どもに勧められない」と指摘している
2.薬事法違反の疑いがある
3.自己決定権の侵害とインフォームド・コンセント(説明と同意)の原則に反する
いろいろとご意見はあるかと思いますが、この意見書以外でもよく見るワードが「6歳未満への使用をWHOもADAも推奨していない」という意見です。
そうなのか。最近の医療に日本はついていけていないのか…と少し心配になりましたがどうやら生活環境の違いがそのような違いを生み出しているようです。
アメリカをはじめとする世界61か国ではフロリデーションというものが行われています。
簡単に説明すると水道水にフッ素を添加することで多数の人に虫歯予防を行おうとするものです。
つまり日常生活の中でフッ素を摂取する機会が頻繁にあるということですね。
したがってこのADAのだしている見解というのはフロリデーションを行っていて過剰摂取の可能性が考えられる地域でのみあてはまるのではないかと思います。
日本はこのフロリデーションを行っていません。このあたりの話は奈良県の歯科医師会がQ&Aでまとめられていましたのでそちらをご参照ください。
確かにフッ素は大量摂取すると危険です。
でもこれは塩を大量摂取すると死ぬのと同じことだと思います。
つまり適量を正しく使うことが大切です。
フッ素入り歯磨き粉の使用割合
フッ素入りの歯磨きは世界でも使用されている割合が非常に高いです。
市場占有率は2010年に90%に達して以降、継続して90%を超えています。
「健康日本21」というものをご存じでしょうか?
簡単に言うと厚生労働省がだしている国民の健康を推進していくための目標などをまとめたものです。
その健康日本21の中でこんな目標が掲げられています。
学齢期におけるフッ化物配合歯磨剤の使用率を90%以上に
実際に2010年の学齢期の使用率は、89.1%と報告されています。
いつから始める?
フッ素を塗るかどうか悩むのは1歳半健診などでそろそろフッ素を始めましょうという話をされるタイミングが多いようですね。
実際にいつからフッ素を塗るべきなのか、歯にいいとなんとなくは知っているけどこどもの口に入っても大丈夫なものなのか心配になりますよね。
日本小児歯科学会では、こどものフッ素塗布を推奨しており、開始時期として以下のように記載されています。
歯が生えた後、唾液中に含まれるカルシウムが歯に付きさらに硬くなります。だから生えて間もない時期の歯は、まだ十分に硬くなっていないためむし歯になりやすいのです。フッ化物は、歯を硬くする作用があり、乳歯・永久歯に関わらず生えた直後に塗るのが最も効果的です。まずは下の前歯が生えてきたころから定期的に歯科へ通い、上下の前歯が生えてきたらフッ化物の塗布を行ってみてください。また、うがいができない年齢でもフッ化物を塗布することは可能です。ただし、フッ化物はむし歯予防の万能薬ではありません。塗ったからといって安心せず歯みがきの習慣やきちんとした食生活をすることです。
つまりフッ素の開始時期としては上下の前歯が生えてきたらというのが一つの目安となりそうですね。
安全性等心配されるケースもあるかと思います。普段の歯磨き粉としてフッ素入りのものを使い始めるのはじぶんで歯磨き後にゆすぐことができるようになるというのが使い始めの目安となりそうです。
まとめ
何事も『適量を正しい使い方で』