この記事は出産予定日の決定法について記載しています。
排卵検査薬からみた排卵日や、生理予定日から推測される出産予定日からズレた実例も紹介します。
- 基本的には生理周期をもとに決定する
- 生理周期が不規則であったり、エコーでの胎児の大きさとの間にズレが4日以上ある場合には、エコーでのCRLの数値を優先する
そもそも分娩予定日はどのようにして決まるのか
生理周期が規則的な人の場合
基本的には生理周期の申告を元に予定日が決定されます。
例えば
最終月経が同じ8月1日に始まったAさんBさん。
Aさん:28日周期
Bさん:32日周期の場合
以下のようになり分娩予定日が異なります。
しかしながら、この決定法の場合は約半数が正しい予定日ではないとされているようです。
つまり半数は排卵日のタイミングがズレているということですね。
生理周期が不規則な場合
エコーによって測定されたCRLの値で週数を特定し、そこから出産予定日を計算します。
産婦人科学会 産科ガイドラインにおいても、
月経歴と最終月経より推測された妊娠週数と、超音波計測値が乖離する場合は超音波計測による予定日を優先することとした。
と記載されており、月経日よりもエコーによるCRL数値が優先されていることがわかります。
4日以上のずれがある場合にはエコーの結果が分娩予定日として決定されることが多いようです。
これは
日本超音波医学会(JSUM)の基準値は,CRL の計測値が 14~41mm(妊 娠 8 週 1 日~11 週 2 日)範囲で±3.9 日の誤差で,実際の妊娠週数との乖離が最も少ないと報告されている
(日本産婦人科学会 産科ガイドラインより引用)
と記載されているように
8週〜11週のCRLはほぼ個人差がないとされているからです。
(胎児発育不全などは,妊娠初期の終わりから中期のはじめごろにはエコーで違いがでるため)
エコーでCRLを見てもらった際に自動で予定日が表示されるかと思いますが、この数値は日本超音波学会の出している基準値が元になっています。
分娩予定日にズレが生じた例
妊活をしっかり行って授かった場合だと、多くのケースでは基礎体温や排卵検査薬などで排卵日が推定されていたり、生理周期もある程度掴めていることが多いかと思います。
CRLと排卵日のズレが生じた例をご紹介します。
6月5日最終月経
26日周期
→この段階で排卵日は最終月経開始日の12日後である、6月17日が推定されます。
排卵検査薬を用いた結果もおそらく6月16〜17日と大きなずれはありませんでした。
しかし8w1dでのエコー検査ではCRLが18.5mm。
この表でもわかるように、基準値で見ると8w5dに近い数値です。
(日本超音波医学会用語診断基準委員会:超音波胎児計測の標準化と日本人の基準値.日超医誌 2003;30:J415―J440(II)より引用)
4日以上のずれがあるため、エコー検査の結果が優先され分娩予定日が決定となりました。
しかしながらその場合、排卵日は6月12日と推定されます。
6月5日に月経開始で、排卵日が6月12日。
・・・つまり月経開始から7日で排卵したこととなります。
正常な生理周期は25日〜38日とされていること
排卵検査薬もそれより後に反応していること
などを考えるとCRLを優先すべきと理解はしていても、なかなか納得は難しいですね。
まとめ
出産予定日は一度決めてしまうと変更はほぼ行わらないため、医師の先生方も慎重に決定されます。出産予定日が決定するとスケジュール感がでてより一層わくわくが増してきますね