妊娠成立の1か月以上前から0.4㎎以上の摂取が推奨される
1日1㎎以上の高用量摂取は、ビタミンB12欠乏症状を隠してしまう可能性あり
葉酸はなぜ必要か
葉酸が不足することで、胎児の神経管閉鎖障害(NTDs)の発症リスクが増加するとされています。
神経管閉鎖障害(NTDs)とは
葉酸の過剰摂取について
葉酸の高用量摂取については、ビタミンB12が不足した時に出てくる症状を隠してしまう可能性があるとされています。
ビタミンB12が不足したときに出る症状
貧血
疲労
食欲不振
手足のしびれ
葉酸の高用量摂取について、ガイドラインにおいても以下のように記載されています。
高用量(1 日 1mg 以上)の葉酸摂取はビタミンB12欠乏(悪性貧血等)の症状をマスクする可能性があり,医師の管理が必要とされた.
https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2020.pdf
いつから飲むべきか
神経管閉鎖障害の予防として妊娠成立の1か月以上前から、葉酸を飲むことが推奨されています。
妊活と同時に飲み始めるのが適切なタイミングとなります。
食事から摂ることはできないのか
食品に含まれている葉酸と、サプリメントに含まれる葉酸は型が異なります。
詳細は割愛しますが、以下のようになります。
食品に含まれる葉酸=ポリグルタミン酸型が多い
サプリメントに含まれる葉酸=プテロイルモノグルタミン酸
食品中に含まれる葉酸は
熱に弱く、サプリメントと比較して50%ほどしか栄養素としての役割を果たさないとされています。
葉酸を多く含む食品
葉酸を多く含む食品としては以下があげられます。
ブロッコリー
枝豆
かぼちゃ
いちご
みかん
アボカド
焼のり
納豆
などなど・・・
葉酸の推奨用量は?
推奨用量として
アメリカでは1992 年より、1日0.4㎎の葉酸摂取が推奨されています。
(米国疾病管理予防センター)
日本でも2000 年に旧厚生省が以下のように通達しています
「当面,食品からの葉酸摂取に加えて,いわゆる栄養補助食品 から 1 日 0.4mg の葉酸を摂取すれば,神経管閉鎖障害の発症リスクが集団としてみた場合に低減することが期待できる旨情報提供を行うこと.医師の管理下にある場合を除き,葉酸摂取量は 1 日 1mg を 超えるべきでないことを必ずあわせて情報提供すること」
市販のサプリメントの中には葉酸の用量が0.4㎎に満たないものもありますので、0.4㎎含まれていることが記載されているサプリメントを選ぶことが大切ですね。
わたしはこれに気づかず、妊娠初期を葉酸が不足したまま過ごしてしまったことがあります・・・。
いつまでサプリメントを飲むべきか
ガイドラインにおいては以下のように記載されています。
NTDs 児妊娠予防目的以外にも,妊婦に必要とされる付加量を考慮し,妊娠期間を通じて摂取してもよい.
しかしながら後述するように、妊娠後期での葉酸の高用量摂取については様々な意見がでているため、医師の判断を仰ぐようにしてください。
葉酸を摂取すると喘息やアレルギーを発症する?
葉酸を摂ることで喘息やアレルギーを引き起こす。
このような記載を見ますが、根拠はどこからきているのでしょうか?
オーストラリアの調査において、妊娠後期に葉酸を1㎎以上摂取することで3歳半時点での喘息の発症リスクが1.23倍であったと報告されています。
このような結果から葉酸を摂取すると喘息を発症するという話がでているようですね。
しかしながら、喘息との関連性ははっきりしないとするデータもでています。
ガイドラインにおいても以下のように記載がされています。
葉酸摂取と児の喘息・喘鳴・アレルギー性疾患発症の関連を報告した11論文を含むシステマティックレビューによると,葉酸サプリメントの用量や摂取時期(妊娠前から第3三半期まで)にかかわらず,葉酸摂取がこれら疾患の発症リスクを上昇させるというエビデンスはない
https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2020.pdf
妊活の開始と同時に、0.4㎎の葉酸を摂取することが理想ですね。サプリメントによっては0.4㎎に満たないものもあるので用量に注意です
これから妊娠を計画されている方の場合は妊活開始と同時にサプリメントを飲み始めるのが大切ですね