妊娠6ヶ月ごろに受けることができる胎児スクリーニング
この時に脈絡叢嚢胞の診断がつくことがあります。
【準備中】 胎児スクリーニングとは
成長に伴い消失していくケースもあるため、妊娠期間中はそのまま経過観察となることが多いです。
聞き慣れない脈絡叢嚢胞について文献情報も併せて簡単に紹介していきます。
脈絡叢嚢胞ってなんで読むの?
みゃくらくそうのうほう
と読みます
脈絡叢嚢胞ってなに?
日本産婦人科医会のホームページでは以下のように記載されています
(引用:日本産婦人科医会HP)
脈絡叢嚢胞 (CPC; choroid plexus cyst)
妊娠20週ごろの中期の胎児スクリーニングでみつかることが多い。脳室内にある高エコー像を呈する脈絡叢に低エコーの嚢胞(cyst)ができる。両側に見られることもあることや、大きい場合もあるが、ほとんどは週数とともに消失します。
簡単に言うと、脳の中に液体の溜まった袋が見られる状態です。
脳室というのは脳のここの部分のことです。
ほとんどは週数とともに消失すると書かれていますね
原因は?
なぜこのような嚢胞ができるのかは不明とされています。
染色体異常との関係について
脈絡叢嚢胞は特に18トリソミーとの関係性が注目されています。
脈絡叢嚢胞の約7.2%に18トリソミーあるいは21トリソミーなどの染色体異常症例が合併するといった報告があります。(Pergignanoetal.,1992)
18トリソミー=エドワーズ症候群
21トリソミー=ダウン症
また1997年の西らの文献により以下のことが報告されています
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sanpunosinpo1949/49/4/49_4_372/_pdf/-char/ja
Benacerrafら(1990,1994)は,トリソミーを検出するのに必要な異常超音波所見として,thickenednuchalfold,奇形,短い大腿骨,短い上腕骨,腎孟の拡大,腸管の高エコー像,脈絡叢嚢胞の有無等の因子をあげ,その重複存在の度合いがトリソミーである可能性を高め,逆に脈絡叢嚢胞単独発症例ではトリソミーの検出率は低くなることを報告している.
脈絡叢嚢胞単独発症例における18トリソミーの1ikelyhood ratioが0.03であるのに対し,合併奇形が1つ認められると0.4,2つ以上認められると20.5とその値が急増すること(Snijderseta1.,1996)も知られている
つまり、脈絡叢嚢胞が見られるだけではトリソミーのリスクは大きく上がらず、他の所見が重なってくることでリスクがあがるということのようです。
いつ頃消えるのか
胎児スクリーニングで報告される脈絡叢嚢胞はほとんどの場合自然消滅すると言われています。
先ほどご紹介した文献内でも症例15例全例において妊娠15~26週の間に自然消失したと報告されています。
私自身も妊娠20週で胎児スクリーニングを実施し、その際に脈絡叢嚢胞を指摘されました。
1か月後24週の検診では脈絡叢嚢胞の縮小が確認され、さらに2週間後の26週の検診時には消失が確認されています。