5歳児健診は、発達障がいなどを早く発見し、安心の就学(小学校入学)につなげることをめざすものですが、2021年度時点で実施の市区町村は全体の15%にとどまっています。
練馬区においても5歳児健診を公費で導入はしておりません。(2024.10月現在)
5歳児健診は、乳幼児期に行われる他の健診(1歳半健診や3歳児健診)と同様に、発育や発達の問題がないかを確認することを目的としています。5歳という年齢は、運動能力や言語能力、社会性が大きく発達する時期であり、就学前に健康状態や発達状況を再確認することで、スムーズに学校生活に移行する準備を整えることができます。
5歳児健診で確認される主なポイント
• 身体的成長:身長、体重、視力、聴力、歯の健康状態を確認します。
• 発達チェック:言葉の発達、運動能力、社会性の発達が年齢相応かを確認します。
• 健康面の問題:病気の兆候やアレルギー、その他の健康問題がないかを確認します。
練馬区では5歳児健診を実施していません
東京の一部の自治体では5歳児健診を実施している地域もありますが、練馬区では5歳児健診は実施されていません。
そのため、保護者が個別に医療機関で定期的に健康診断を受けることを推奨しています。特に気になる成長や発達の遅れ、健康問題がある場合は、かかりつけの小児科医に相談するのが良いでしょう。
練馬区で受けられる健診は7種類
練馬区で公費負担で受けることのできる乳幼児検健診は以下の7つです。
- 4か月児健康診査
- 6か月児健康診査
- 9か月児健康診査
- 1歳6か月児健康診査(歯科健診)
- 2歳児歯科健診
- 2歳6か月児歯科健診(予約制)
- 3歳児健康診査
練馬区でできる健康チェックの選択肢
• 小児科受診:定期的な小児科受診を通じて、身長や体重のチェック、発達相談などが可能です。
• 幼稚園や保育園の健康診断:5歳児は多くの場合、幼稚園や保育園で定期的な健康診断が行われているため、それを利用して子どもの健康状態を確認することができます。
5歳児検診がない場合の対策
練馬区では公式な5歳児検診がないため、以下のような方法で健康チェックを補うことが大切です。
1. 幼稚園・保育園での健康診断の活用
毎年の健康診断結果をしっかり確認し、異常があればすぐに対応するよう心がけましょう。
2. 家庭での健康、発達チェック
家庭でできる簡単な健康チェックも、5歳児健診がない場合に有効な手段です。日常生活の中で、子どもの身体や行動に注意を払うことが大切です。
• 身体のチェック:定期的に子どもの身長や体重を測定し、成長曲線と比較して正常範囲内か確認します。また、歯の状態や口臭が気になる場合は、歯科検診を受けることも推奨されます。
• 行動や発達の観察:子どもが日常生活で問題なくコミュニケーションを取れているか、運動能力が同年齢の子どもと同じレベルにあるかを観察します。例えば、言葉の遅れや運動がぎこちないと感じる場合は、発達支援センターや専門医に相談しましょう。
3. 小児科での定期的な健康診断
地域の小児科を定期的に受診し、年に一度は健診を受けることも有効です。通常、乳幼児期の検診が終わると小児科での診察機会が減ることがありますが、就学前の健康チェックとして医師の診察を受けておくことが大切です。
• 診察で確認するべきこと:視力や聴力、身長や体重の発達、アレルギー症状などを中心に、小児科医に相談します。また、保護者が日常生活で感じる疑問や不安について、医師に質問することで具体的なアドバイスを得ることができます。
4. 発達支援センターや地域の子育て支援機関の活用
自治体には、子どもの発達や健康について専門的な相談ができる発達支援センターや子育て支援センターがあります。これらの施設では、発達に関するアドバイスを提供したり、育児相談に応じたりするサービスが整っています。
• 発達支援センターでの相談内容:言葉の発達や社会性、運動能力に関する心配がある場合、センターで相談することで、専門家による具体的なサポートやトレーニング方法の提案を受けることができます。
• 子育て支援センターの活用:地域の支援センターでは、育児に関する幅広い相談が可能で、保護者同士の交流の場としても活用できます。5歳児健診がない地域では、このような場所でのアドバイスを積極的に利用しましょう。
5. 発達や健康に関する教育・情報源の活用
オンラインリソースや書籍、専門家の講演などを通じて、発達や健康に関する最新の情報を入手することも有効です。信頼できる情報源を活用し、日々の育児に役立てましょう。
• 信頼できる情報源:小児科医や教育機関が提供するオンライン情報、育児書、地域の保健センターが発行するガイドなどが推奨されます。これにより、子どもの発育に対してより深い理解を得られます。
6. 子どもの心のケアも忘れずに
5歳児は、心の発達も大きく進む時期です。感情のコントロールや、友達とのコミュニケーションの取り方などが発達段階において重要なポイントです。健診がない場合でも、心の健康に関しては親や保護者が日常的に観察し、子どもがストレスを感じていないか確認することが大切です。
• 感情の観察:子どもが不安や怒りを頻繁に表現する場合は、その背景にある原因を探り、必要なら専門家の助けを借りることを考えましょう。
これらの対策を通じて、5歳児健診がなくても子どもの成長や発達をしっかりと見守り、必要に応じた対応をしていくことができます。
5歳児健診を受ける際のポイント
5歳児健診は、保護者にとっても重要な機会です。以下のポイントを押さえ、検診を有意義に活用しましょう。
1. 準備をする
健診に臨む前に、以下のような準備を行いましょう。
• 健康記録の確認:これまでの健康状態や予防接種の履歴を確認し、必要な情報を整理しておくことが重要です。
• 気になる点の整理:子どもの発育や行動について気になることがあれば、事前にメモしておきましょう。健診時に医師や保健師に相談することで、具体的なアドバイスを受けやすくなります。
2. 健診当日の流れ
健診当日は、以下のような流れで進行します。
• 身体測定:身長、体重、胸囲などを測定します。
• 視力・聴力検査:視力や聴力をチェックし、問題がないかを確認します。
• 発達チェック:言葉や運動、社会性の発達についての確認が行われます。必要に応じて、発達に関する質問がされることもあります。
3. 検診後のフォローアップ
健診結果に基づいて、必要なフォローアップを行いましょう。
• 専門医の受診:健診で指摘された点があれば、早めに専門医を受診し、適切な対応を取ることが大切です。
• 家庭でのサポート:健診で得たアドバイスをもとに、日常生活での子どもへのサポートを行いましょう。特に発達が気になる場合は、遊びやコミュニケーションを通じて、積極的に関わることが重要です。
5歳児健診を実施している自治体の例
5歳児健診は全国一律で実施されているわけではなく、自治体によって対応が異なります。練馬区では実施していないものの、他の自治体では5歳児の健康診断を行っているところもあります。以下に、5歳児健診を実施している自治体の例を紹介します。
1. 千葉県習志野市
習志野市では、就学前の健康診断として5歳児を対象にした健康診査を実施しています。これは、就学前に子どもの発育や健康状態を総合的に確認し、必要に応じて専門的な支援やフォローを行うためです。検診内容は、視力・聴力、歯科検診、言葉や社会性の発達確認などが含まれます。
2. 神奈川県藤沢市
藤沢市でも、5歳児健診を実施しています。特に発達面に重点を置いた検診で、言語やコミュニケーション能力、運動発達が年齢相応に進んでいるかを確認します。ここでは、専門的なアドバイスを受けられるため、就学に向けた準備を進める際に役立つと評判です。
3. 兵庫県西宮市
西宮市では、定期的な乳幼児健診に加えて、5歳児健診も行われています。この健診では、幼稚園・保育園に通っているかに関わらず全ての子どもが対象です。身体測定や視力・聴力検査、心理的発達の確認などが行われ、必要に応じて医療機関や教育機関との連携を図ることができます。
5歳児健診のメリット
5歳児健診を実施している自治体では、以下のようなメリットが期待できます。
• 早期発見・早期対応:発育や発達に遅れがある場合、早期に対応することで就学時に問題を抱えるリスクを減らすことができます。
• 専門家によるアドバイス:健診の際に小児科医や保健師が個別にアドバイスをしてくれるため、日常の育児の中で気になる点を相談できます。
• スムーズな就学準備:学校生活をスムーズに始めるために、発達面や健康面の不安を事前に解消することができます。
さいごに
5歳児健診は、お子さまの健康と発達を確認する大切な機会です。自治体によって実施の有無が異なりますが、練馬区のように実施していない地域に住む方も、他の方法で健康状態を把握し、必要なサポートを受けることができます。
検診を通じて、子どもの成長を支え、安心して学校生活をスタートさせるための準備を整えていきましょう。子どもの健康を守るためには、保護者の理解と関与が不可欠です。定期的な健康チェックを行い、元気に成長していくお子さまを見守っていきましょう。